結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


プルルルル、プルプツッ


『コラーーー!!

ゆき!!あんた今どこにいるの!?!?』



かかった瞬間あやちゃんの怒声。



かなりお怒りのようでした。


あまりの声の大きさに、わたしはスマホを耳から離す。



結城くんも顔をしかめていた。



「ご、ごめんね。

気づいたらわたし、寝ちゃってて。

もうHRも終わってるよね?」



かなり怒っているあやちゃんを宥めながら言う。



『当たり前でしょ!!!

ったく、あたしがどんだけ心配したと思ってるの!?

ゆきは帰ってこないし、結城くんに聞こうと思って結城くんのクラスに行ったけど、結城くんもいないし』


「ごめんね?あやちゃん…」



こんなにわたしのことを心配してくれていたあやちゃんに、悪いことしちゃったな、と反省。



「ぅぐっ……。

はぁー、分かったから。

昇降口で待ってるから、一緒に帰ろ?」


「うん!」



声色が優しくなったあやちゃんに安心したと同時に、やっぱりあやちゃんは優しいなと思う。


< 56 / 275 >

この作品をシェア

pagetop