結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
プルルルル、プルプツッ
『コラーーー!!
ゆき!!あんた今どこにいるの!?!?』
かかった瞬間あやちゃんの怒声。
かなりお怒りのようでした。
あまりの声の大きさに、わたしはスマホを耳から離す。
結城くんも顔をしかめていた。
「ご、ごめんね。
気づいたらわたし、寝ちゃってて。
もうHRも終わってるよね?」
かなり怒っているあやちゃんを宥めながら言う。
『当たり前でしょ!!!
ったく、あたしがどんだけ心配したと思ってるの!?
ゆきは帰ってこないし、結城くんに聞こうと思って結城くんのクラスに行ったけど、結城くんもいないし』
「ごめんね?あやちゃん…」
こんなにわたしのことを心配してくれていたあやちゃんに、悪いことしちゃったな、と反省。
「ぅぐっ……。
はぁー、分かったから。
昇降口で待ってるから、一緒に帰ろ?」
「うん!」
声色が優しくなったあやちゃんに安心したと同時に、やっぱりあやちゃんは優しいなと思う。