結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「あやちゃん!!」
昇降口にいるあやちゃんに駆け寄る。
「ゆき!」
スマホを見ていたあやちゃんは、私に気づいて顔を上げた。
「ゆき、あんたねー!
どれだけあたしを心配させる気!?」
はい、早速怒られました…。
「ごめんね、あやちゃん。
結城くんについて空き教室に行って、そこで気づいたらいつの間にか寝ちゃってて。
起きたときにはもう午後の授業終わってて…」
「結城くんも一緒に寝てたの?」
「うん……」
申し訳ない気持ちでいっぱいになって俯く。
あやちゃんにいっぱい心配かけたんだなって思うと、じわじわと涙が溜まってきた。
「はぁー…」
頭上からはあやちゃんの呆れたと言わんばかりのため息。
嫌われちゃったかな……?
「ごめんね?あやちゃん……」
「ゔっ……」
わたしはあやちゃんの目を見てもう一度謝る。