結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「どういうことってなにが?」
首を傾げて聞いてくるママ。
そんなことして可愛いなんて思ってるの?ママは。
あ、いや、たしかに40代には見えないその可愛らしい容姿から行動まで可愛いんだけど。
たまにわたしと姉妹に間違われるぐらいだし。
……って、そうじゃなくて!!
「だから温泉旅行だよ!」
「あら、今言ったじゃない。
ペアチケットが当たったからパパと2人で言ってくるって」
「え、じゃあわたしは……?」
「直也くんとお留守番」
真顔でしれっと言ったママは、自分が言ったことを本当に理解しているんだろうか。
もうママはダメだと思い、パパの顔を見る。
パパなら何とかしてくれると思って。
しかし、パパに期待したわたしが馬鹿だった…。
「ゆき、直也くんに迷惑かけるなよ。
あとしっかり家事もするんだぞ?」
もう、ダメだ……。