結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
今のあやちゃんはとても幸せそうな顔をしていた。
そんなあやちゃんに無理強いすることはできない。
これはもう諦めろってことなのかな…。
「そっか…。
楽しんできてね。あやちゃん!」
わたしはニコリと笑顔でそう言った。
「ありがと、ゆき。でもどうしたの急に?」
「ううん、なんでもないよ。
ただ、久しぶりにあやちゃんとお泊まり会したいなーって思っただけ」
「そう?」
少し腑に落ちないって顔をしてあやちゃんは聞いてきた。
「うん!」
「そっか…、わかった。
でもさ、なにかあったらちゃんとあたしに言ってね?」
あやちゃん……。
あやちゃんは気づいてるのかもしれない。
わたしがあやちゃんに隠し事をしていることを。
でもあやちゃんは、わたしから言うことを待っていてくれてる。