結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


わたしも急いで座り、2人で一緒に

「いただきます」



ハンバーグを頬張る結城くんの顔を伺う。



おいしいかな?

不味くないかな?



「どう、ですか…?」


「めっちゃうまい!ゆき、すげーな!」



よかった…。



「ありがとうございます!

そう言ってもらえてすごく嬉しいです!」



満面の笑みで結城くんに言う。



「ママほどのおいしい料理は作れないんですけど、でも料理するのは好きなんです」



いつかママみたいなおいしい料理を、わたしも大好きで大切な人に作りたいな。



まぁこんな不細工とお付き合いとか、結婚してくれる人なんているわけないね。



「もう充分雛さんみたいにうまい料理だと思うけどな」


「ありがとうございます」


「てかさ、ずっと思ってたけどなんで敬語なの?

俺ら同級生なのに」



いつかはなんとなく聞かれるだろうなって思ってた。



ただ聞かれなかったから言わなかっただけで。


< 75 / 275 >

この作品をシェア

pagetop