結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
わたしも急いで座り、2人で一緒に
「いただきます」
ハンバーグを頬張る結城くんの顔を伺う。
おいしいかな?
不味くないかな?
「どう、ですか…?」
「めっちゃうまい!ゆき、すげーな!」
よかった…。
「ありがとうございます!
そう言ってもらえてすごく嬉しいです!」
満面の笑みで結城くんに言う。
「ママほどのおいしい料理は作れないんですけど、でも料理するのは好きなんです」
いつかママみたいなおいしい料理を、わたしも大好きで大切な人に作りたいな。
まぁこんな不細工とお付き合いとか、結婚してくれる人なんているわけないね。
「もう充分雛さんみたいにうまい料理だと思うけどな」
「ありがとうございます」
「てかさ、ずっと思ってたけどなんで敬語なの?
俺ら同級生なのに」
いつかはなんとなく聞かれるだろうなって思ってた。
ただ聞かれなかったから言わなかっただけで。