結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


そんなわたしを見て


「じゃあ俺懐中電灯探してくるからゆきはここで待ってろ」



そう言ってリビングの方へ行こうとする。



「やっ……」



わたしにとって、今ここで1人にされることが1番怖い。


だから行かないで……



そんな思いを込めて結城くんの服の裾をぎゅっと握る。



「ゆき?」


「いか、ないで……。

ひとりに…、しないで…?」


「っ……、!」



必死に結城くんの目を見て言う。


恐怖から、喉に詰まってなかなか出ない声を振り絞って。



「わかったから。

とりあえずゆき、風呂上がりだろ?

冷えて風邪ひかれても困るからリビング行くぞ」



結城くんはそう言って、優しくわたしの腕を引っ張る。



が、今のわたしは立てない。



なぜなら


「腰抜けちゃって、立てない…です……」



もう、やだ……。



ほんとはこんなはずじゃなかった。


結城くんに迷惑かけるつもりなんてなかったのに…


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