結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


だって気持ちがない付き合いって、飯田くんが辛いと思うから。



わたしだって辛いし。



「じゃあさ、俺のこともっと知ってよ」



え?



「俺、南さんに俺のこと好きになってもらえるように頑張るからさ。

諦めない。本気で行くよ」



だから覚悟しといてね?

と、最後にわたしの耳元でそう囁くと飯田くんは屋上から去っていった。



まさかの返事でかなり驚いてる。



それにあやちゃんからは爽やか王子だって聞いてたから、飯田くんがあんなこと言ったのはちょっと拍子抜けだったな。



なんて、こんなときは思いもしなかったんだ。



まさかこの飯田くんの言葉によって、わたしがこれからかなり困惑することになるなんて……


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