結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


ザワザワザワ



俺が廊下を歩くと、周りの女どもがキャーキャー騒ぎだす。



いつもの俺ならここは王子様のようにキラキラとした笑顔を振りまくが、今はそんなのどーでもいい。



さほど俺の教室からは離れていない1年6組の教室に到着。



「ちょ、おい直也!

って、6組!?は、なんで?!」



どうやら舜も着いてきていたようだ。


ったく別についてくる必要ねーのに。



なんて考えているが俺の視線は教室の中にいるであろうあの子。



ぐるっと6組を見渡すと。


――あっ、いた。



するとどうやらその子も俺に気づいたみたいで、こちらに駆け寄ってきた。



「ゆきなら今いないですよ!」



その子、もといゆきの友だちの松島彩花ちゃん。



「知ってるよ。

屋上にいるんだってね」



一応いろんな奴がおるし、きっと松島さんも俺の裏の顔は知らないだろうから、表の顔で接する。


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