結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


――ガチャッ



お、誰か出てきた。


飯田和真……



そいつは俺と目が合うと爽やかにニコリとして去っていった。



ムカつく…


あの余裕そうな顔。



ゆきは絶対に自分のことを好きになる、そう言ってるような顔。



めちゃくちゃ腹立つ。



あ゛ぁー、ゆきに癒してもらお。


あのふにゃりとした笑顔が今は見たい。



さっきも言ったけどもう一度言う。


俺は別にゆきとは付き合ってはいない。



――ガチャッ



「あ、結城くん…?」



いた……。

屋上の中央で放心状態のまま立っていたゆき。



「何してんだ?

顔、ヤバいことになってんぞ」



フッと笑う。



「むぅ…、そんなこと分かってますもん!

どうせわたしは不細工ですよ!」



それに対し頬を膨らませて怒るゆき。


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