ご主人様はあの時の！？

『お邪魔します』
『こんにちは。はじめまして』
そこに出てきたのは…
なんと…
(これが…世に言うイケメンかな？…)
私は少し、男子っぽいところが有り、イケメンの定義がいまいち分からないのだが、友達等がキャーキャー言う俳優に顔の系統が似ていたのだ。
『はじめまして』
『では、こちらへどうぞ』
私は奥に案内されるがまま、着いていく。
『此方に座って下さい』
『はい…』
大学以来のこの久しぶりな面接の感覚に、少し、緊張してしまう。
私は薦められた通りにリビングらしきこの部屋のソファーに座る。
面接の相手の男の人も、落ち着いた深い色の木製テーブルを挟んで反対側に座る。
『では、面接を始めましょうか』
『はい』
『では、まず、名前は聞きましたから、質問しますね』
『はい』
『まず、仕事内容です。
仕事内容は、ここに住んでいただき、メイドのように掃除や洗濯、料理などをしていただくだけです。
出来ますか？』
『はい。大丈夫です』
(むしろ、住み込みは有難いし…)
『ここの住人は俺だけです。
女性だと嫌がる人も多いのですが、大丈夫ですか？』
(別に私、美人でもないし、男っぽいし、手、出したりしないでしょ)
『はい。大丈夫です』
『給料は、勝手にあそこから好きなだけ取って下さい』
『あの…つまり？…』
『合格です。
来れる日から、引っ越してきて下さい。
引っ越し業者代等は全て出します。
後で言ってください』
『はい』