届け、この想い~先生と私とチューリップ~
第二章~夏の太陽
今日もまた、沙織と昇降口に立つ。
大好きだった春も終わり、いつのまにか梅雨の季節に入った。
空はどんよりと、分厚い雲を広げる。
「いやー、もうすっかりあっちぃなー。お、またお前らか」
両手をポケットに入れた先生は、欠伸を噛み殺した。
「お前らとは失礼ねー」
「しかし、仲いいよなぁ……。女子ってさ、なんでそんなに仲良しさん同士くっついてるわけ?」
「なに?混ざりたいの?」
「……」
こんな時間も
私は、楽しくて仕方がないんだ
卒業したら、こんなワイワイすることも少なくなっちゃう気がする。
「あたしら、毎日恋バナしてるもんね」
沙織の言葉に、先生は「えっ」と声を漏らす。
「へー、いっちょまえに好きな男いるんだ」
「大丈夫。先生じゃないから」
沙織は、にっこりと笑いながら、先生の背中を叩いた。
「そりゃよかった。あなたに好かれたら、毎日ギャーギャーうるさそうですからね」
「失礼ねっ!!」
それまで、一言も話さない私に、先生は、笑顔を見せた。
「藤田は?どんなやつが好きなの?」
「んー。どっちかっつーとヘタレかなぁ」
「お前に聞いてねぇよ!!」
私より先に答えた沙織へのツッコミに笑いながら、先生を見上げた。
「先生は、私の好きな人、どんな人だったらいいと思う?」
私の好きな人は、先生なんだよ。
どんどんと膨らむ気持ちは、貴方に送れない言葉。
大好きだった春も終わり、いつのまにか梅雨の季節に入った。
空はどんよりと、分厚い雲を広げる。
「いやー、もうすっかりあっちぃなー。お、またお前らか」
両手をポケットに入れた先生は、欠伸を噛み殺した。
「お前らとは失礼ねー」
「しかし、仲いいよなぁ……。女子ってさ、なんでそんなに仲良しさん同士くっついてるわけ?」
「なに?混ざりたいの?」
「……」
こんな時間も
私は、楽しくて仕方がないんだ
卒業したら、こんなワイワイすることも少なくなっちゃう気がする。
「あたしら、毎日恋バナしてるもんね」
沙織の言葉に、先生は「えっ」と声を漏らす。
「へー、いっちょまえに好きな男いるんだ」
「大丈夫。先生じゃないから」
沙織は、にっこりと笑いながら、先生の背中を叩いた。
「そりゃよかった。あなたに好かれたら、毎日ギャーギャーうるさそうですからね」
「失礼ねっ!!」
それまで、一言も話さない私に、先生は、笑顔を見せた。
「藤田は?どんなやつが好きなの?」
「んー。どっちかっつーとヘタレかなぁ」
「お前に聞いてねぇよ!!」
私より先に答えた沙織へのツッコミに笑いながら、先生を見上げた。
「先生は、私の好きな人、どんな人だったらいいと思う?」
私の好きな人は、先生なんだよ。
どんどんと膨らむ気持ちは、貴方に送れない言葉。