届け、この想い~先生と私とチューリップ~
第三章~秋空の雲
夏休み最後の日曜。


先生は、最後の日曜くらい「問題集は休みな!!」と言ってくれた。



先生との禁断の交換ノートを沙織に見せた。


泣きながら話す私を見て、沙織も泣きながら聞いてくれた。


「良かったね、良かった……」

って、何度も言いながら。



先生は、やっぱりいい先生だよ……

私が、太鼓判を押すよ!!





土日以外、ほぼ毎日会っていたから、新学期まで、寂しくなかった。


新学期の朝、グレーのスーツを着ている先生を見掛けた。



スーツ姿もかっこいいな……。



たくさんの生徒に「おはよ」と笑顔で挨拶する先生を見て、胸がキュンと鳴いた。



「宿題出せー」


教室に入るなり、先生はそう言った。


「よし、全員出したな。じゃ、自由時間開始!!」



教室内は、騒がしくなる。


先生が「自由時間開始!!」と言った時、廊下を通っていた学年主任に不審な目で見られ、苦笑いをしていた。


「騒いだり、教室から出なければいいから。騒がしくなったら即テストな!!!」



大きくない目を細めて笑う先生は、“教師”ではなく“兄”のようだった。



無理に、いい先生ぶる教師ではなくて、子供に何か出来たら。成長を見守れたら。そんな先生だから、先生の熱い想い、伝わるから



みんな、先生が大好きなんだよ……。





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