届け、この想い~先生と私とチューリップ~
先生と出会ってから、もう季節は秋になる。


もっと、先生と早くに出会いたかった。



もっと、長い時間

一緒に居たい





私が生徒じゃなくて

同僚とか

同級生だったら……






でも、ああやって

黒板に数式を書きながら

時々振り向く先生は

生徒の私だから

見れるもの。




生徒ならではの、特権。




男子と、ふざけ合ったり、出席簿で優しく頭を叩いたり、生徒のあたしが見れる貴方(せんせい)―――






「さえちゃん、昼休みサッカーやろうぜ!!!」


「おう!!!負けないからな」


にっと笑う先生は、ネクタイを緩めながら振り向いた。



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