届け、この想い~先生と私とチューリップ~
どうしても、隣にいる長沢さんを気にしてしまう……。


私は、私……。


だけど、長沢さんが先生を見て、ニンマリと笑うと私の心臓はトクンと痛みを残す。


いやだ……。

先生を見ないで……。








先生を、これ以上

好きにならないで……。





自分勝手で我儘な私。





「見ててやるから、練習続けろー」


先生は、砂の上に胡坐をかいて座った。


「せーの!」


飛んでいくうち隣の長沢さんに、軽く腕が当たった。





ドサッと、長沢さんが転び縄が止まる。



「ゴメン!!だいじょう……ぶ?」


私が、手を差し出すと、長沢さんは、私をキッと睨んだ。


「おい、大丈夫かぁ?」


先生が長沢さんの前にしゃがみ込んだ。






「藤田さんが……足をかけました……」





ズキンとさっきよりも、胸が痛む。




頭の中が真っ白になる。





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