届け、この想い~先生と私とチューリップ~
「そうじゃない。本当に足を掛けたのか?」


いつもの先生の優しい声が、私の背中に当たる。


「先生は……?どう思う?でも先生は、長沢さんを信じるでしょ……。長沢さんは、頭もいいし、嘘をつくような人じゃないでしょ?」


先生を振り返って、弱々しかったかもしれないけれど、しっかり微笑み教室を出た……。



ギュッと力を入れて笑わないと、涙が溢れそうになったから。



先生は、きっと

長沢さんを信じてる




そう思い始めたら

辛くて、先生と一緒には

居られない……。





そのまま屋上に出て、広い広い空を見上げた。



今、悲しくて

この空を見上げてる人は

世界中に

何人居るのかな……。

なんて、おかしなことを思った。






私と同じように

悲しくて、悔しい気持ちで

この空を見てる人



どうやって、克服した?



支えてくれる人が居る?

誤解とか解けた?

正直になって和解した?






ねぇ、



私は、どうしたらいいんだろう……。






きっと、先生だけじゃなくて

クラスのみんなも

長沢さんを信じてるかな……



それとも、私と長沢さんの問題なんて気にしてないかな……。




なんだか……

ごめんね……



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