届け、この想い~先生と私とチューリップ~
昇降口を出て、校庭から数学教科室の窓を見る。


オレンジ色に光る窓を見て一瞬だけ、胸がキュッと締め付けられた。


先生、貰ってくれてありがとう。


包装紙の中に入れたメッセージカード

『本当は、先生が大好きでした』

入れちゃったことに、少し後悔した。




もう、今までみたいに笑いかけてくれないかもしれない。

話かけてくれないかもしれない。

嫌われちゃうかもしれない……。



怖かった……。



最初は、朝、見掛けるだけで「おはよう」の挨拶ができるだけで満足だったのに……。



いつの間にか溢れすぎた『好き』が苦しくて、切なくて、だんだん伝えたくなって……。





本当は迷惑だったかな……。


にっこり笑って、貰ってくれたけど『お前もか……』なんて思ったかな……。



見た事も、会った事もない先生の彼女と、先生に心の中で『ごめんなさい』と言った。


「お……泣くのか?」


後ろから声が聞こえて振り向くと、ニコニコ顔の担任がいた。


「……は?」


「空なんか見上げちゃって……。大丈夫だよ。彼はそんなに嫌な奴じゃない」


びっくりした。


なんで?なんで知ってるの?



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