届け、この想い~先生と私とチューリップ~
第五章~サヨナラのトキ
沙織と電話で2時間も話して、2人でまた泣いた。


沙織は、先輩から改めて告白されたんだって……。


良かったね、良かったね…と涙を流すしか出来なかった私に、沙織は、ありがとうと何度も言った。


沙織も、私に

「ごめん」とは言わなかった。


私は、沙織と先輩を妬んでないから、その気持ちに、沙織も気付いてくれた。



親友だから。



大切な、大好きな親友だから。





3年生の卒業式も終わり、私たちも、あと1年……。


これからも、数学がんばるよ。


先生と出会って、話して、好きになった1年はとても短く、切なく、濃い1年だった。


先生の暖かさ、きっと

忘れない……。





そんな時、離任する先生と一緒に、佐伯先生も、北海道に行くためこの学校を離れると、正式に発表があった……。


先生の彼女の実家がある北海道……。


先生は、北海道で先生を続ける。



でも、遠すぎるよ……。



もう、一生会えない気がする。


でも、それが神様のお告げなのかな。


これ以上、私が先生を好きにならないように、先生を困らせないように、私と先生を離すのかな……。



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