届け、この想い~先生と私とチューリップ~

HRが終わって、私は、先生の車が職員駐車場から出て行くのを、3階のベランダから見ていた……。


先生……バイバイ。


6回のノック、どこですればいいのかな……。


泣かないって決めたのに、なんだか、悲しくなっちゃった……。


それに、1番いい笑顔、見せられなかった……。


先生が、あんな切なそうに花の話をするからだよ……。





ベランダで、先生の車が学校を出たのを見送り、私は、ヨロヨロと鞄を持ち昇降口に向かった……。


先生……行っちゃった。


明日も、あの白い大きな車を見て朝から会えた!なんて喜びそうな気がする。


明日からも、毎朝学校に着くまでに、先生のジャージ予想をして1人で、ニンマリしそう。



やだよ……。



先生が居ないなんて

信じたくないよ……。



先生……先生……



大好きなのに……。





学校を出ると、学校の隣の市民体育館に、先生の車が停まっていた。


見間違えるわけがない……。


あんな大きな白い車、滅多に見ない形だし……。


「お嬢さん、今帰り?」なんて窓を開けて、甘い缶コーヒーを飲みながら笑わないでよ……。


せっかく、涙我慢してたのに。



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