29歳夫の恋，（キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼）

賢一の掴んだ胸ぐらの手を
グギー〜っと握り返して、
跳ね飛ばした。

賢一はギロりと睨み返し

「お前には関係ない話だ
〃うせろ！〃」
大声で叫んだ。



「関田課長とは、終わってるだろ
諦めろ‼」


蒼生も負けじと罵声を投げかける。


賢一は信じられないといった様子で


「は？は！？終わって無いし アイツが勝手に誤解してるんだ。
俺は妻と別れる。
未華子が、忘れられない。」


蒼生は、賢一を睨み付け
「未華子は今は、俺の女だ
どうしても離れ無いなら
慰謝料請求する。
ー千万円。
裁判してもいい。



そしたらお前は会社クビだな。
奥さんにもバレるし
親権も取れないだろうな。
相当な慰謝料請求、勿論俺も上乗せして請求する。

悪いが手は抜かない。

いいのか？」



賢一は
「婚約者って、おまえが..？」



「もう、諦めろ！未華子はもう
お前の事、気にしちゃいない。
未華子と付き合っていたのなら
未華子の性格分かるだろ‼


あいつは心が離れたら帰らない！
そうなる前に手に入れるべき
だったんだ。
俺のようにな‼」




賢一はハッとして



「だからアメリカからわざわざ
帰って来たのか？
未華子のためか？
この事業に手を出してきたのも？」


「ははは、間違ってはいないな
生きてるうちに頭使わないとな‼
お前潰すくらい、何でもないぞ‼
関わらないなら、お前には
何もしない。」

賢一は、

「相手が悪かったな‼...」

そう言うと項垂れて出ていこうと
した。


「待て‼未華子の写真全部消せ‼
携帯出せ‼」


低い凍る様な声で怒鳴りつける
ように叫んだ。


「嫌だ‼
お前に、そこまでやる
権利は無いだろ‼」


賢一もまだまだ未練がある為拒否
して来た。

「悪用されては困る。」




蒼生は携帯を、賢一の手から
ぶんどると、写真を見つけ
全部削除した。
ついでにラインもメールも削除。

携帯をポンと投げると賢一の足元に落ちた。



「もし、pcなんかに保存しているなら裁判してでも二度と日の目をみれないようにぶち落とすからな！
今の平和な家庭を叩き潰す事に
なるぞ‼

子供や、何も知らない奥さんを
泣かせるのか？
お前はそれでも父親か‼」






「分かったよ。」
賢一は蒼生の眼力に怯み、この男
ならやりかねないと思った。


賢一は携帯を拾うと、ゆだんさせ蒼生目掛けて
ケリをいれてきた。
蒼生は透かさず交わし賢一の顔面にキックがヒットした。

口から血を出した賢一は、ただ
飛ばされたまま倒れていた。


「未華子の事は諦めろよ。」
その体にもう一発ケリを入れ
「これは未華子のぶんだ‼」

グワッ
賢一は押し潰される様な音にも似た声をあげた。

彼はピクッと肩を震わせ口惜し
そうに蒼生を振り返り見ていた。
「ワルイな、喧嘩には慣れてる!シ!」