29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)
蒼生はプシュっと開けた
缶ビールを持ったまま、
固まってしまった。
ポッリと未華子が言った。
「蒼生言ったじゃない。
何時でも出してって、だから
次の日 速攻で出した。」
あ‼
「ゴミ箱の・・・は?
は?は?」
「それ、伝えたくて、もう蒼生は
自由だよ。独身だよ。
だから蒼生の側にどんな女性が
いても いいの‼
遠慮無くご自由に彼女つくれるよ
ゴメン、蒼生を取られないように
黙ってた。
でも、蒼生を解放するには自分も
納得しなくちゃいけない。
あなたが自由なのは離婚した
からって 自分に言い聞かせ
自分が納得出来る迄待ったの。
だから、蒼生が誰と遊んでも
我慢出来た。」
ゴクゴクゴク‼
蒼生の喉を通るビールの音が響いた。
ソファに項垂れ、蒼生は動かなくなった。
「蒼生、蒼生、」
未華子の呼び掛けに
頭だけ起こして彼は言った。
「ふう〜っ‼
紙切れ一枚って凄いよな‼
縁が切れるんだもんな!」
「違うよ。
お互いの価値観の違い‼
蒼生に書いてと言ったら書いた
つまり書かなかったら縁は切れない!
私が渡したハサミであなたが切った。
所詮、赤い糸なんてなかったのよ。」
「フッ、」
蒼生は、鼻で笑っていた。
「蒼生と私は違いすぎる。」
「何がだよ💢💢
騙したのか?
ゴミ箱の離婚届はダミーだった
のか?💢
俺はあれを見て・・・安心していたんだぞー‼それを笑っていたのか💥」
「蒼生は自由主義、結婚しても
自由が欲しいんでしょ。
私は常に一緒にいたい。
何処にいるか、誰といるか?
何をしてるのか?
気になるの、
不安になるの。好きだから
不安なの‼」
「...え‼」
「病気よ。
だから、そんなストーカな私が
あなたと一緒にいれる?
無理だよ。
だから別れるのが正解‼
蒼生もウンザリしてたはず
よ。」
蒼生は、飲みかけのビールを
一気に煽るとテーブルに
ブァァン‼💢とカンを置いた。
「で‼どうするの?」
蒼生の問いかけにシドロモドロ
しながら答える。
「もう会社も辞めるし
叔母さんに頼んで、お見合いして又お嫁にでも
いくよ。
バツイチだし、それなりの優し
い人 探してもらう。
相手が気に入ってくれたら
結婚する。
そして、好きでいて貰えるように今度こそ頑張る。
直ぐ子供作って、主婦になるよ。
旦那さんの為に、先ずは
料理学校かな。」
「じゃあ、帰るから。」
立ち上がった未華子の腕を掴み
「そんな理由なんて理由にならない 未華子と離婚なんしてない‼
裁判起こしても覆す。
不履行だ‼💢
他の奴との結婚なんて許す訳
無いだろ‼💢💢
離婚届なんてたかが紙切れだ!」
蒼生はデカい声で叫んだ。
未華子は、どうすんの‼と思う。
自由に生活したい。
未だ遊び足りない!
かといって未華子とは別れない
と言う。
「そんなの我儘じやないの?
離婚届は紙切れだけど
ならば婚姻届もたかが紙切れ
生まれも育ちも年齢も違う赤の
他人が
家族になりました、の証明が
婚姻届ならば家族を辞めました
赤の他人に戻りました‼️の
証明が離婚届でしょ
紙切れ1枚と笑うなら
家族の証明はどうやってするのよ
法が定めた証明をやってくれるの!
たかが紙切れ
されど紙切れよ!」
未華子も蒼生に負けないくらいの
大きな声を出して言った。