29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)
次の日から料理長甲斐田は、
本社勤務になり
現場には顔を出さなくなった。
代わりに別の料理長が任務につ
いていた。



料理長より歳が上で60歳ぐらい
だろうか?スーパの悠太さん、
くらいの歳かな?とか考えて
いたら・・・


山内さんが飛び込んできた。



「聞いたかい?
料理長、御曹司だったって‼」




甲斐田水産の跡取りらしいよ。
居酒屋グループも料理長が受け
るらしい。

「えー‼
マジですか?でも確かお兄さん
いますよ。」



「あっちはね、スーパの
チェーン店の、跡取りって‼
あっちはあっちで
大儲けらしいじゃない。」



「へー。そうなんですか?ってか
そうですよね。
私の師匠ですもん。」



「で‼ あの女が見合いして
すっかり料理長に惚れた
らしいの、
で‼

料理長が断ったら
あんな事になったんだってよ。」




「く、詳しいですね。」


「うちの人が言ってたから」


「え、ウチの人?
結婚してたんですか?
同じ仕事場なんですか?料理長と?」



「あれ?新しい今の料理長私の
旦那‼
知らなかった?。

子供も成人したのが2人いるわよ。

苗字!苗字」
山内さんはネームプレートを指さしその方向を見ると、アッ‼



ちゃんと山内と書いてあった。


「あーそうか!
関田ちゃんは、知らないよね。
料理長が本社の仕事してる時は
ウチのが来てるから皆は知って
るよ。」


「ウワッ‼初耳」


その後のミーティングで、新任の
料理長が決まる迄、山内さんの
旦那さんの山内さんが
店に来る事になったと挨拶が
あった。


山内さんが店に厳しかったのも、
会社思っての事だったと、
わからされた。

勿論そのせいで未華子にもヤル
気にさせられ一年たらずで
メキメキ腕を上げた事は
間違いない。


あのままだったら未だ包丁も
握れてないだろう。

言いかたを変えれば恩人なの
かも知れない。


慌ただしい時間が駆け足で流れる。


俄に店先が賑やかになり
英語が飛び交っていた。

「御喜さん御一行ご案内。」


この日蒼生は10人予約が20人
連れて 入ってきた。
一般のお客様も混ざって、
てんやわんや、 チンチロまい。


皆50メートル走を全力で走った
ように ぐったりとなる。



本部に何人か急遽応援を頼んだが
間に合わない。

未華子が板場に立つとスムーズに流れだし た。


外国人のお客様をもてなした後、お帰りはお見送りする。



未華子の、流暢な英語力でスタッフは驚いていた。



最後に蒼生が立ち止まり

「帰ってこい‼」

「えっ、なんで?」

「帰らないなら、見合いする。

お前と、別れる。
最後の、決心を伝えに来た。
愛しているんだ。」
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