29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)
未華子は呆然と立ち止まり、


「関田ちゃん...?」
後ろから山内さんが声をかける。

「あ、ああ‼」

「ありがとうございます。
またお越しくださいませ。」
慌てて営業用の声をかける。


「この辺じゃ見ない、いい男ね‼」
蒼生の後ろ姿を見送った山内さんが呟いた。

「そうですか?..ね。」


もう離婚したんだし、
関係無いのに...なんで報告に
くるかなぁ
...。

「あらァ料理長、お久しぶり‼」
山内さんがビックリ振り向き声を
あげる、

「売れ行き上がったね。‼」

「関田ちゃんが頑張ってくれて
ますから ね。」


「そうか‼」
「いえ、皆で頑張ってますから..」

料理長、甲斐田は背広に、ネクタイ、ブルーのワイシャッが凄く似合って
男らしい。




「惚れちゃった?」
山内さんがいたずらっぽい顔で
茶化してきた。



「確かにカッコイイけど
ナイナイ。」



料理長甲斐田は、事務室に入り、
上着を脱ぎネクタイをゆるめ
パソコンの前にすわり
作業をはじめた。



山内料理長が中に入っていき
二人で談笑していた。


「お先に失礼します。」


山内さんと二人帰りの挨拶にいく。

「ああ、お疲れ。」

優しい顔の山内さんの旦那さんは、もう少しおくれそうだと言っていた。



「ツマミ作って待ってるね。」

山内さんはニコニコして、手をあげる


山内さんと二人で外へと出る。

「仲いいんですね。」

「関田ちゃんも、早く
結婚したら?」

クスッ笑いながら山内さんの顔を見て
「いえいえ、貰い手ありません
ってば‼」と言った。




「いやぁー、頭切れるし英語
ペラペラ 普通の商社マンポイけど、ま﹏人には言いたくない事も
あるしね。聞かないでおく。」




未華子は、黙って、ニコニコ微笑
みかえした。

駐車場で山内さんと別れ
マンションへと足をすすめる。

コンビニによりビールと軽い
ツマミを買い、
ソフトクリームを舐め舐め帰る..と駐車場にクラウ〇が止まっていた。



「ん?アレは、料理長の車?」



パッパッとバッシングの合図
がかかる。
振り返り、抹茶アイスをガブリと
噛んで料理長の車迄駆け足で走る。


ビーーッと窓が開き甲斐田が顔を
出してきた。

「買い物ですか?」
アイスで汚れた口を手で拭きながらハンカチをさがし

半分くらいの抹茶アイスを慌てて
飲み込み、聞いてみた。

「あ、ああ、ね。ちょっと
関田さんが見えた から 待ってた。」


「アハハ
そうなんですか?」


「明日、休みだろ?
少し話さない?乗って。」

未華子は微妙だった。
大学生の結衣ちゃんとの会話が
頭に甦っていた。


それは昨日のオープン前の事。
「関田さんだからいっちゃいます
けど、 料理長の事好きなんですよ。
関田さん、取らないで
くださいねっ。」


「え‼ナイナイ
びっくりしたーー。
結衣ちゃん、甲斐田さんの事
好きだったの?」



そうです。だから約束ですよ‼」



脳内リフレイン。
戸惑いながらも車のドアが開くと、未華子は乗ってしまった。



「関田さん、俺の事どう思う?」

ギエーー直球でキタワァ━━━━━━!!!!


「え、えっと、尊敬してます。」

プププ「俺は年下ですけど。」

ええ━━━マジでっ‼目を丸くして、甲斐田を見る。

「えと...お幾つですか?」

「29。」

「に、にじゅうきゅ﹏﹏﹏うぅ‼」



「で‼関田さん、僕の事どう思う?その﹏恋愛対象として‼」

「えっと‼離婚したばかりで
結婚は考えられなくて、
今は...」


「僕が嫌い?いや?」

「そ、そんな、勿体無い。
料理長にはもっと若い、
結衣ちゃんみたい な 健康で
若い子が沢山いますし..」


コンコン。

ふと窓を見たら、蒼生が不機嫌な
顔をして、覗いていた。


「降りろ!未華子。」

甲斐田がエンジンをかける、
クラウ〇は未華子を乗せたまま
動きだした。

〃お、おっと‼危な‼〃

チッ‼


蒼生もセリ〇に乗りあとを追う。



蒼生はピッタリと張り付き
高速まで来た。未華子は怖くなり
身を伏せて目をむき出しそうに
なっていた。



「おっとろしい〜⤵」


も、もはや口を聞くばやいで..ナイ‼
何処まで続くの?
疲れちゃったんですけど..。


夜の高速をはしる。
煽り運転の事例があるから制限
速度はまもりながら、甲斐田も、
蒼生もバカでは無い。

未華子はチラチラメータをみる。
そ、そうだ軽はずみに乗って
しまった自分が悪い。

高校の頃の先生の名言が頭をよぎる。


「乗ったら乗せなん。」
(乗せなきゃいけない。)
九州育ちの先生の名言。
男に気をつけろ!と乙女な私達に
教えてくれた。
軽はずみに車に乗るとこんどは
自分に男をのせることになる

repeat
afuta-mi
Notsutara
nosenan





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