29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)

婚姻届の真実

朝から雨、雷がビカビカ
ドカーン、ドカーンと爆弾が落ち
たみたいな音をたてる。

ピューピューピュー
笛を吹くような風の音
それからゴーゴォーと又違う風の音




未華子は、今日は休みだ。
シフトはリサーチ済み‼


「ふああぁぁぁ。」
コキコキ!肩が痛い!



「ん?アレ、どーなったっけ?」

辺りを見回すと直ぐ蒼生の部屋だ
と分かった。なんせ2週間生活した部屋だし。



なんで?、何があった?
甲斐田さんは?あれ?



ベッドの上で考えているとなんか
また究極の眠さに襲われた。



に、2度寝か?
幸せかも...この時間。...









「未華子、起きろ!」

「あれ?蒼生。おはよう。」

「もう11時だぞ!
起きれ無いのは変わって無いな‼」


「ゴメン。つい寝てしまって‼」


「お前、昨日俺が見合いする事
話ただろ?
その確認をしたくて連れて来た。


見合いしたら俺はその人と籍
をいれる。つまり、未華子とは
永遠にサヨナラだ‼

良いんだな。」





未華子はバッと顔を上げて、暫く
何も言えなかった。

「相手は、24歳、事務職
中々の美人だよ。」

見合い写真とプロフィールを手渡
し未華子に見せながら言った。


「結婚したら、アメリカで家を
買い、生活す る。
未華子のことがあって、考えを
変えた。夫婦はやはり、一緒に
いるべきだと思う。
若いから子供も沢山産めそうだし、どうする?」



未華子は写真を見ながら

「そう、貴方にはお似合いの
方ね。 お見合い、上手くいくと いいわね。」


雨は、益々酷く降っていた。

窓ガラスに打ち込む雨は大粒の
水形を叩きつけてくる。



「こんな日に、
お見合いの話は.....」



仕事に行かない日の雨は大好きだ
昔読んだ
〃嵐の夜に〃
と言う名作を思い出す。

オオカミが山羊と夜を明かす
最初の所が気に入っている。



そして蒼生と初めての日も雨だった。
なんかふんわり柔らかい思い出が辛い物に変わっていく。




雨の日は蒼生が見合いの話を教
えてくれた辛い思い出にすり
変わって行く。



未華子は黙って服を来て、
傘を持ってマンションを出た。



容赦なく降りつけてくる雨は、
傘も役に立たず、ずぶ濡れになる。


何故か涙が出て来た。
シヤクリあげる自分に気づき、
蒼生の事が未だ好きなのだと
気づいた。







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