29歳夫の恋，（キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼）

2人はずーっと寝ていた。

朝、いや夕方目を覚ますと、
未華子はハッ‼とする。


さっきのも夢？
その前も夢！

「あ、あっ‼そうだゞ」

思いついたように、頬っぺたを
つねる。

「ｲﾀｯ、夢じゃない‼ ン？」

何故かいい匂いの柔らかい髪を
した蒼生が眠っている。
少しクリ色の髪が風にゆれて

「気持ち良さそう。」




〃 ええいっ‼〃

「イテテテテ、いたっ‼
何するの‼」

蒼生がうっすら目を開けた瞬間
摘んでいた
ほほ肉をギューギュー
蒼生は痛がったが現実と分かった。



「ヤッパリ夢じゃ無あーい。」
現実に帰ったとホッとする。




あんなに降っていた雨も夢なのか？
と思うくらい外は夕陽がさし
うっすらと暗くなる空は快晴の
ようだった。



あんなに泣き叫んだって事は未だ
蒼生に未練があるのかな！

頬を抑え痛がる蒼生に

「ごめん。夢か
確かめたかったの。」

寝すぎだ寝すぎだと、うるさい
蒼生をたしなめながら

〃夢で良かったー〃




蒼生の部屋でキンピラゴボウを
削ぎ削ぎしながら考える。

蒼生をチラっと見たがパソコン
で何か打ち込んでいる。

ご飯を炊いて、刺身を切る。
今はカンパチが出回って値段も
ソコソコ。

ポテサラを作りピーマンの
肉詰めを作る。
その間蒼生は振り向きもしない。
聞きたい事が、山ほどある。



一段落着いたのかキッチンの
テーブルへと蒼生がやって来た。


「うわぁー、未華子腕上げたな。
どれも美味そう。」


パクパク料理にパクつく蒼生に
聞いてみた。


「ねえ、お見合い....は？」

蒼生は顔を上げて
「見合い？するよ、もう話しは
出来てるし。
相手の写真見る？」




「えっ、あっ....と、うん。」

蒼生はテーブルを立ちリビングの
棚の上のお見合い写真を開いて
手渡した。


夢の中の人物とは違ったが、
写真の彼女はやはりピンクの
着物を着て若くて清楚で、
美人だった。



「蒼生は気に入ってるの？」
と質問する未華子を横目で見ながら
「若いし、美人だしね。
あとは会ってから決めるよ‼」


「そ、そっか‼ 上手くいくと
いいね。若いし、子供沢山
産んでくれるよ。」
アハハ･･･💦

「未華子、コレ美味いよ。最高‼」


「そう、良かったよー。」