似非王子と欠陥令嬢
キャロルの耳がぴくりと動く。
現在ルシウスのいる寝室は家族や側近、治療に携わる医師や魔術師以外面会謝絶になっているのだ。
レオンやリアムに言えばキャロルは入れるが手掛かりがゼロの状態で行っても空振りに終わるだけだと判断し行っていないが。
彩花嬢がどうやって面会を許されたのか分からない。
「うん結構前に会ったよ。
あたし光魔術使えるでしょ?
治癒出来ないかって言われたの。」
「あーなるほど。」
医師も魔術師もお手上げなのだ。
聖女の光魔術に頼ってもおかしくはない。
「でもよく王妃様が彩花様が殿下の治療をする事を許しましたね。」
「ううん、王妃様には内緒なんだ。
ハリー君が独断で許可してくれたの。
まあ結局役に立てなかったけど。」
「あぁ、そういう事ですか。」
キャロルはふっと表情を和らげる。
あの第二王子が兄を助けようとしてくれた。
放っておけば王太子になれるというのに兄を優先させるなど。
ルシウスが知ればきっと困惑しながらも喜ぶに違いない。
「でもね、変だったんだ。
それをキャロルさんに聞いて欲しかったのにキャロルさん全然学園来ないんだもん!
あたし超待ってたんだからね!」
「それは申し訳ありません。
変とはどの様な?」
彩花嬢はうーんと首を傾げる。
「えっとね、治癒魔術を使うとさ怪我してたり病気の部分が引っかかるというかコブがあるって感じで分かるんだ。
だからそこを魔術で治すって感じなんだけどね。
ルシウス君にはなかったの。」
「…なかった?」
彩花嬢がこくりと頷く。
「ちょっとした擦り傷とかでもコブってあるからさ全く引っかからない事なんてないはずなの。
でも本当に何も引っかからなかった。
意識不明で魔力も消えてんだよ?
なのに本当に何もなかったの。
変じゃない?」
「…確かにおかしいですね。」
「前にさ1回だけ既に亡くなってる人に対して治癒魔術を使った時に同じ事があったの。
その人は傷だらけだったけど何も引っかからなかった。
だから亡くなった人に対して治癒魔術は使えない。
でもルシウス君は生きてるのに同じ事が起こった。
あたし頭良くないから分かんないけど魂ってやつの関係なのかなって思えちゃったんだ。
心臓の動きじゃなくて魂が無ければ治癒魔術は使えないんじゃないかって。」
「では殿下は魂って物が消えたんじゃないかと?」
彩花嬢は真剣な顔付きで頷く。
現在ルシウスのいる寝室は家族や側近、治療に携わる医師や魔術師以外面会謝絶になっているのだ。
レオンやリアムに言えばキャロルは入れるが手掛かりがゼロの状態で行っても空振りに終わるだけだと判断し行っていないが。
彩花嬢がどうやって面会を許されたのか分からない。
「うん結構前に会ったよ。
あたし光魔術使えるでしょ?
治癒出来ないかって言われたの。」
「あーなるほど。」
医師も魔術師もお手上げなのだ。
聖女の光魔術に頼ってもおかしくはない。
「でもよく王妃様が彩花様が殿下の治療をする事を許しましたね。」
「ううん、王妃様には内緒なんだ。
ハリー君が独断で許可してくれたの。
まあ結局役に立てなかったけど。」
「あぁ、そういう事ですか。」
キャロルはふっと表情を和らげる。
あの第二王子が兄を助けようとしてくれた。
放っておけば王太子になれるというのに兄を優先させるなど。
ルシウスが知ればきっと困惑しながらも喜ぶに違いない。
「でもね、変だったんだ。
それをキャロルさんに聞いて欲しかったのにキャロルさん全然学園来ないんだもん!
あたし超待ってたんだからね!」
「それは申し訳ありません。
変とはどの様な?」
彩花嬢はうーんと首を傾げる。
「えっとね、治癒魔術を使うとさ怪我してたり病気の部分が引っかかるというかコブがあるって感じで分かるんだ。
だからそこを魔術で治すって感じなんだけどね。
ルシウス君にはなかったの。」
「…なかった?」
彩花嬢がこくりと頷く。
「ちょっとした擦り傷とかでもコブってあるからさ全く引っかからない事なんてないはずなの。
でも本当に何も引っかからなかった。
意識不明で魔力も消えてんだよ?
なのに本当に何もなかったの。
変じゃない?」
「…確かにおかしいですね。」
「前にさ1回だけ既に亡くなってる人に対して治癒魔術を使った時に同じ事があったの。
その人は傷だらけだったけど何も引っかからなかった。
だから亡くなった人に対して治癒魔術は使えない。
でもルシウス君は生きてるのに同じ事が起こった。
あたし頭良くないから分かんないけど魂ってやつの関係なのかなって思えちゃったんだ。
心臓の動きじゃなくて魂が無ければ治癒魔術は使えないんじゃないかって。」
「では殿下は魂って物が消えたんじゃないかと?」
彩花嬢は真剣な顔付きで頷く。