似非王子と欠陥令嬢
「レオン、殿下に会わせて貰えますか?」
「構わないけど…何か分かったのか?」
今までずっと何も出来ないからと面会を拒んでいたキャロルが会うと言った事にレオンは目を丸くする。
キャロルは首を横に振った。
「…ちょっと1発殴りたくなりまして。」
「…植物状態の人間に容赦ないな。
鬼畜って言葉知ってるか?」
「残酷で無慈悲な行いをする者を指す言葉ですね。」
「うん、意味を答えて欲しかったわけじゃないけどな。
コミュニケーションって難しいな。」
「私コミュ障なんで申し訳ありません。」
「うん大丈夫。
それで殿下だよな?
ちと昼間は監視の目が厳しいから夜でも良いか?」
「構いませんよ。」
「なら夜に塔まで迎えに行くから待ってろ。
…てかキャロルなんかあったか?」
レオンが心配そうに顔を覗き込む。
「何もありませんよ。」
「そうか?
なんか思い詰めた顔してるぞ?」
キャロルは苦笑いを浮かべた。
そんなにも自分はわかりやすいだろうか。
というかこいつらは人の感情を読み過ぎだ。
正直やめて欲しい。
無言のキャロルに確信を得たのかレオンがぐしゃぐしゃとキャロルの頭を撫でる。
「出会ってからほぼずっと一緒にいるんだから分かるんだからな。
何があったかまでは分かんないけどさ。
でもそんな死にそうな顔すんな。
殿下が助かってもお前が死んだら俺にとっては意味ないんだから。」
こいつは本当に勘が鋭い。
まるで全部見ていたかの様だ。
「…レオンってほんと凄いですね。」
「ばーか。
全然凄くねえっての。
友達だから分かるだけだ。
ずっと見てきたんだからな。」
レオンがぷいっと視線を逸らす。
「俺は色々足りねえし馬鹿って言われるけど殿下とリアムとキャロルの事は分かるからな。
…だから抱え込むのはやめろ。
今度も助けられなかったら俺は多分耐えられない。」
「すいません。
…ありがとうレオン。」
「…やっぱり言わねえのなキャロルは。」
レオンが悲しげにくしゃっと笑う。
幼馴染が倒れた事は深い傷になっているらしい。
「まあいいよ。
今度こそ目を離さなきゃいいだけだからな。」
「…すいません。」
「謝らなくていーって。
俺の友達は変人しかいねえの分かってんだから。」
キャロルはぐっと拳を握り締めた。
揺らいではいけない。
この友が大切だからこそ揺らいではいけないのだから。
「構わないけど…何か分かったのか?」
今までずっと何も出来ないからと面会を拒んでいたキャロルが会うと言った事にレオンは目を丸くする。
キャロルは首を横に振った。
「…ちょっと1発殴りたくなりまして。」
「…植物状態の人間に容赦ないな。
鬼畜って言葉知ってるか?」
「残酷で無慈悲な行いをする者を指す言葉ですね。」
「うん、意味を答えて欲しかったわけじゃないけどな。
コミュニケーションって難しいな。」
「私コミュ障なんで申し訳ありません。」
「うん大丈夫。
それで殿下だよな?
ちと昼間は監視の目が厳しいから夜でも良いか?」
「構いませんよ。」
「なら夜に塔まで迎えに行くから待ってろ。
…てかキャロルなんかあったか?」
レオンが心配そうに顔を覗き込む。
「何もありませんよ。」
「そうか?
なんか思い詰めた顔してるぞ?」
キャロルは苦笑いを浮かべた。
そんなにも自分はわかりやすいだろうか。
というかこいつらは人の感情を読み過ぎだ。
正直やめて欲しい。
無言のキャロルに確信を得たのかレオンがぐしゃぐしゃとキャロルの頭を撫でる。
「出会ってからほぼずっと一緒にいるんだから分かるんだからな。
何があったかまでは分かんないけどさ。
でもそんな死にそうな顔すんな。
殿下が助かってもお前が死んだら俺にとっては意味ないんだから。」
こいつは本当に勘が鋭い。
まるで全部見ていたかの様だ。
「…レオンってほんと凄いですね。」
「ばーか。
全然凄くねえっての。
友達だから分かるだけだ。
ずっと見てきたんだからな。」
レオンがぷいっと視線を逸らす。
「俺は色々足りねえし馬鹿って言われるけど殿下とリアムとキャロルの事は分かるからな。
…だから抱え込むのはやめろ。
今度も助けられなかったら俺は多分耐えられない。」
「すいません。
…ありがとうレオン。」
「…やっぱり言わねえのなキャロルは。」
レオンが悲しげにくしゃっと笑う。
幼馴染が倒れた事は深い傷になっているらしい。
「まあいいよ。
今度こそ目を離さなきゃいいだけだからな。」
「…すいません。」
「謝らなくていーって。
俺の友達は変人しかいねえの分かってんだから。」
キャロルはぐっと拳を握り締めた。
揺らいではいけない。
この友が大切だからこそ揺らいではいけないのだから。