似非王子と欠陥令嬢
「そりゃ大変ですねえ。」
よく見ると令嬢達はルシウスに話かけながら互いに睨み合っている。
彼女達の横に座っている両公爵も笑みを浮かべている様に見えて互いに鋭い視線を送り合っていた。
真ん中に座るのは心底遠慮したいだろう。
「…皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます。
それでは皆様お1人ずつご挨拶をお願い出来ますでしょうか?」
あっ父ちゃん、とレオンが呟く。
ちょっと額が寂しくなっている司会の男性は宰相だったらしい。
ルシウスの左隣に座っていた令嬢が立ち上がり優雅に頭を下げる。
「カルヴィン公爵家のアグネス・カルヴィンでございます。
私、王妃となるべく幼少期より励んで参りました。
この度王命によりお選び頂いたからには王妃として妻として恥ずかしくないよう精進していく所存にございます。
皆様もお力添え頂きますよう宜しくお願い致しますね。」
ぱちぱちぱち…
拍手をしていたのは自分だけだった。
何故かアグネス嬢以外の令嬢達から刺すような視線を向けられてしまう。
マナー違反だったか。
今度は顔を真っ赤にさせ右隣に座っていた令嬢が立ち上がる。
「アルバ公爵家のファンティーヌ・アルバでございます。
私は以前殿下とお会いした時からずっとお慕い申しておりました。
王妃として国を支えるのは勿論ですが妻として殿下を癒し支えられる様になれたらと思っております。
勿論他の皆様とも将来この国を共に支えていく者同士仲良く出来たらと思っておりますわ。
宜しく御願い致します。」
やはり拍手は上がらない。
これが正しいマナーだったようだ。
令嬢は全員で6人。
誰かが挨拶をする度空気が悪くなっていくのは何故だろう。
最初の2人以降は薔薇の花弁の数を数えて聞き流す。
3人目からは歌を歌ったり詩を朗読したりしているが一芸を披露せねばならないんだろうか。
何を披露しようか悩んでいるキャロルの耳に5番目の令嬢の声が届いた。
「ワインスト家次女のアンジェリカ・ワインストにございます。」
…ワインスト?
よく分からなくてクリスを見る。
いつの間に妹がいたんだろう。
「…あれは義母の連れ子だ。」
クリスが吐き捨てる様に呟いた。
あぁ、そう言えば再婚したんだっけか。
アンジェリカは頬を染めながら自分で作ったと言う菓子をルシウスに渡している。
ちらりとキャロルと合わせた目は嘘のように睨み付けていたが。
よく見ると令嬢達はルシウスに話かけながら互いに睨み合っている。
彼女達の横に座っている両公爵も笑みを浮かべている様に見えて互いに鋭い視線を送り合っていた。
真ん中に座るのは心底遠慮したいだろう。
「…皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます。
それでは皆様お1人ずつご挨拶をお願い出来ますでしょうか?」
あっ父ちゃん、とレオンが呟く。
ちょっと額が寂しくなっている司会の男性は宰相だったらしい。
ルシウスの左隣に座っていた令嬢が立ち上がり優雅に頭を下げる。
「カルヴィン公爵家のアグネス・カルヴィンでございます。
私、王妃となるべく幼少期より励んで参りました。
この度王命によりお選び頂いたからには王妃として妻として恥ずかしくないよう精進していく所存にございます。
皆様もお力添え頂きますよう宜しくお願い致しますね。」
ぱちぱちぱち…
拍手をしていたのは自分だけだった。
何故かアグネス嬢以外の令嬢達から刺すような視線を向けられてしまう。
マナー違反だったか。
今度は顔を真っ赤にさせ右隣に座っていた令嬢が立ち上がる。
「アルバ公爵家のファンティーヌ・アルバでございます。
私は以前殿下とお会いした時からずっとお慕い申しておりました。
王妃として国を支えるのは勿論ですが妻として殿下を癒し支えられる様になれたらと思っております。
勿論他の皆様とも将来この国を共に支えていく者同士仲良く出来たらと思っておりますわ。
宜しく御願い致します。」
やはり拍手は上がらない。
これが正しいマナーだったようだ。
令嬢は全員で6人。
誰かが挨拶をする度空気が悪くなっていくのは何故だろう。
最初の2人以降は薔薇の花弁の数を数えて聞き流す。
3人目からは歌を歌ったり詩を朗読したりしているが一芸を披露せねばならないんだろうか。
何を披露しようか悩んでいるキャロルの耳に5番目の令嬢の声が届いた。
「ワインスト家次女のアンジェリカ・ワインストにございます。」
…ワインスト?
よく分からなくてクリスを見る。
いつの間に妹がいたんだろう。
「…あれは義母の連れ子だ。」
クリスが吐き捨てる様に呟いた。
あぁ、そう言えば再婚したんだっけか。
アンジェリカは頬を染めながら自分で作ったと言う菓子をルシウスに渡している。
ちらりとキャロルと合わせた目は嘘のように睨み付けていたが。