似非王子と欠陥令嬢
「へーこんな所に資材置き場なんてあったんだな。」
着替えを終え作業着姿のキャロルと急いで事務作業を終えたレオンは塔の裏側にある資材置き場からリヤカーを引っ張りだした。
「まあ私専用なので基本誰も知らないと思いますよ。」
「何か秘密基地みたいで良いなそれ!」
2人でガタゴト車輪を鳴らしながらリヤカーを引く。
レオンの言う通り良い天気だ。
もうすぐ夏が来る。
春風にしては少々暑い風にリヤカーを引くキャロルの首筋を汗が流れた。
レオンも額の汗を拭っている。
廃材置き場に付き手頃な鉄板を集めていく。
「なあキャロルー。
これ何に使うんだ?」
キャロルに指示された鉄板をリヤカーに詰め込むレオン。
パリッとしていたグレーのシャツは所々黒く汚れている。
詰み終わりまたリヤカーを引きながらズボンのポケットに入れていた羊皮紙をレオンに渡す。
「この前、遠方の国に住んでる魔道具開発者の方が『えあこんでぃしょなー』なる物を発明されたと仰ってまして。
材料費や技術料でかなり高価な物になるのでまだ暫く一般に販売される事はないんらしいんですが。
ただその仕組みについて少しだけ教えて貰ったので作ってみようかと。」
「へー。
ここに書いてある原理は全く分かんないけど一体何に使う物なんだ?」
「簡単に言えば部屋の温度や湿度を調節する為の魔道具ですね。
夏でも暑くない部屋にする事が出来るらしいです。」
「すげえなそれ!
頑張って作ろうぜ!」
レオンが目を輝かせる。
この国、特にこの王都は夏になると毎年蒸風呂の様に暑くなるのだ。
だから帰省シーズンなんて言って夏には皆王都を離れる。
それほど暑さが厳しいのだ。
毎年蒸風呂状態の王宮に残るしかないレオンにとっては夢のような品である。
2人は塔に戻ると地面に鉄板を置き早速作業を始めた。
「キャロルーここ止めたらいいのか?」
「はいお願いします。」
レオンはキャロルに渡された『ばーなーちゃんVer.3』を使い鉄板を溶接していく。
キャロル自身は自分の魔術で溶接出来るのでレオンに貸し出しているのだ。
繋ぎ合わせた鉄板を塔の部屋まで運ぶ。
二人共既に汗だくである。
キャロルは鉄板の中に魔法陣を書いた紙と魔石を置いた。
魔力を流し込む。
「うわっ涼し…つか寒!!」
レオンがガタガタ震えるのも無理はない。
テーブルの上の紅茶が凍り付いていた。
着替えを終え作業着姿のキャロルと急いで事務作業を終えたレオンは塔の裏側にある資材置き場からリヤカーを引っ張りだした。
「まあ私専用なので基本誰も知らないと思いますよ。」
「何か秘密基地みたいで良いなそれ!」
2人でガタゴト車輪を鳴らしながらリヤカーを引く。
レオンの言う通り良い天気だ。
もうすぐ夏が来る。
春風にしては少々暑い風にリヤカーを引くキャロルの首筋を汗が流れた。
レオンも額の汗を拭っている。
廃材置き場に付き手頃な鉄板を集めていく。
「なあキャロルー。
これ何に使うんだ?」
キャロルに指示された鉄板をリヤカーに詰め込むレオン。
パリッとしていたグレーのシャツは所々黒く汚れている。
詰み終わりまたリヤカーを引きながらズボンのポケットに入れていた羊皮紙をレオンに渡す。
「この前、遠方の国に住んでる魔道具開発者の方が『えあこんでぃしょなー』なる物を発明されたと仰ってまして。
材料費や技術料でかなり高価な物になるのでまだ暫く一般に販売される事はないんらしいんですが。
ただその仕組みについて少しだけ教えて貰ったので作ってみようかと。」
「へー。
ここに書いてある原理は全く分かんないけど一体何に使う物なんだ?」
「簡単に言えば部屋の温度や湿度を調節する為の魔道具ですね。
夏でも暑くない部屋にする事が出来るらしいです。」
「すげえなそれ!
頑張って作ろうぜ!」
レオンが目を輝かせる。
この国、特にこの王都は夏になると毎年蒸風呂の様に暑くなるのだ。
だから帰省シーズンなんて言って夏には皆王都を離れる。
それほど暑さが厳しいのだ。
毎年蒸風呂状態の王宮に残るしかないレオンにとっては夢のような品である。
2人は塔に戻ると地面に鉄板を置き早速作業を始めた。
「キャロルーここ止めたらいいのか?」
「はいお願いします。」
レオンはキャロルに渡された『ばーなーちゃんVer.3』を使い鉄板を溶接していく。
キャロル自身は自分の魔術で溶接出来るのでレオンに貸し出しているのだ。
繋ぎ合わせた鉄板を塔の部屋まで運ぶ。
二人共既に汗だくである。
キャロルは鉄板の中に魔法陣を書いた紙と魔石を置いた。
魔力を流し込む。
「うわっ涼し…つか寒!!」
レオンがガタガタ震えるのも無理はない。
テーブルの上の紅茶が凍り付いていた。