キミのココロにいるのは、アタシじゃなくてアナタでした
ハルキ君が、一人ずつの名前を読んでいく。


「山下〜、元気だったか?」
「岡井、ちゃんと部活行ってるのか?」
「本山さん、ごめん。全部委員会の仕事、やってもらってるよね?」


そして、いよいよ次は私だ。


「美菜、元気か?」


これで、ハルキ君が沙絵ちゃんのことを忘れているのは確実だ。
私は、顔を上げない。
これから悲しみに歪むであろう沙絵ちゃんの顔を、見たくないから。
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