おにぎり【短編】
薄々、勘付いてはいたから証拠を突き出し、問い詰めるのは簡単な“作業”でしかなかった。
私は二ヶ月も其れをすることを躊躇っていたにすぎない。
見過ごしてしまうことも、許してしまうことも、簡単だということは分かっている。
だけど、私は忘れないだろう。きっとずっと、見過ごしてやったと、許してやったと、そう思って忘れないだろう。
嫌な女だ。
それは、この先ずっと平等ではなく、自らを苦しめるのだろうと……
一週間前のおにぎりのように……