おにぎり【短編】

先に席に着いた彼と“今日はどうだった”なんて会話をしながら、お茶をいれてテーブルについて、ちょうど三分。


二人で『いただきます』と声を揃えて、ふと思った。


おにぎりが二つある。


一つは彼が食べるのだろうから、当然残りの一つは私のなのだが……





今、私の目の前に置かれたおにぎりは彼の分だ。




それに気付かず、彼は自分の方に置かれたおにぎりのフィルムを剥がす。








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