月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「みんなーおっぱよ〜」
「遅ーい、満月
また寝坊?」
勢いよくドアを開けると、
予想通りみんな席についている。
「あーっきらちゃん
おはよ〜」
「はよう。相変わらず馬鹿な面してるね」
「そう言う明ちゃんも、顔に似合わず毒舌だね」
ニコッ、と笑いあい、顔からは想像も出来ない会話をしている。
野上 明《ノガミ アキラ》−15歳
私の一番の友達。
「お前ってさあ、弟いなきゃ生きてけないんじゃねぇの?」
「はっそんなわけないから」
クルッ、と後ろを振り返ると、憎たらしい笑みを浮かべる京介がいた。
「だったら一人で起きてみなよ」
「明ちゃんは京介の味方なのー!?」
冷ややかな笑みで前の席の明は、私を見下す。
「あたしがこんな馬鹿の味方なわけないでしょうが」
「……お前ひでぇっな」
薄笑いを浮かべたまま、明は前を向いた。
そんな明を見ながら、私と京介は、苦笑いをする。
この時の私は、
明ちゃんや京介、クラスの友達がいるだけで、
毎日が楽しかった。
周りが彼氏とか好きな人がいても、何とも思わなかった。
なのに君は、
私に恋を教えた。
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