月と太陽-密愛- 【コラボ企画】



「そう言えば、あんた今日広樹の店に行くんでしょ?」

「んっそだよ。
何で知ってんの?」

「昨日、広樹から聞いた。」


ピタリ、と明の言葉に私は箸を止めて、食べかけのヤキソバを弁当箱に戻した。


「仲直りしたんだ〜」


意味ありげな笑みを明に向けると、案の定、眉がつりあがる。


「ちょっと前まで、別れる〜、とか言ってたのにね」

「うっさい」


少し顔を赤らめる明を見ながら、私は止めていた箸を口に運ぶ。




明の彼氏・久米 広樹《クメ ヒロキ》−20歳


は、私が今日陽と行くお店の店長さん。




「…それでっ、あたしも今日、逢う約束してるから、一緒してもいい?」

「うん、もちろん!陽にも言っとくね」


ブレザーのポケットから携帯を取り出し、慣れた手つきで、陽にメールを送る。


一ブーッブーッ


しばらくすると、携帯が音を立てて揺れた。



ひなた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
分かった
HR終わったら
直ぐ行くから



「明ちゃん、いいって〜」


はい、とメールを見せると、明は私の携帯を使って、陽にお礼を送った。




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