月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「じゃあ、俺も行こうかな〜」
さっきまで黙々とパンに食らいついていた京介が、私を見ている。
「やめたほうがいいよ?
京介と陽って、不仲じゃん」
「…あいつ、愛想悪いんだもん」
「え〜そんな事ないでしょ、陽君に限って」
私と京介の話を聞いて、二人の関係を知らない明は、不思議そうに言う。
普段から人辺りもよくて、勉強や運動、いろんな事を要領よくこなす陽は、
なぜかいつもおちゃらけた京介を、敵視している。
それがどういう意味なのかは、まだ私は知らない。
「まあ〜陽はお年頃なんだろ、どうせ」
呆れたように苦笑する京介を、横目で見ながら、食べかけの弁当を一気にたいらげた。
「…京介、行きたいなら自分で陽に言ってね?」
カチャカチャ、とお弁当箱を片付け、冷たいコンクリートから立ち上がる。
「……そんなことしてまで行きたくありませーん」
私が満面の笑みで笑うと、京介も一緒になって、笑い出す。
「あんたらキモい。」
「「一緒にすんなっ」」
明の言葉に同時に反論した。
それが可笑しくて、思わず二人そろって吹き出した。
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