月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「どうでもいいけど、何しに広樹のとこに行くんだよ?」
階段を下りてると、いきなり京介は疑問をぶつけてきた。
「今日、結婚記念日なのよ
だから、ヒロさんにオルゴール作ってもらったの」
自慢するかのように、私は昨日届いた広樹のメールを見せた。
そこにはメールと一緒に、花の木彫りがしてある、小さなオルゴールが写っている。
「…すげ〜。普段、一緒に馬鹿やってるから知らなかったけど、広樹って何気すげーんだな」
興奮する京介の横で、明は幸せそうに微笑んでいる。
それを見て、私もつられて微笑んだ。
「……なに笑ってんの?」
「へへっ〜」
恥ずかしそうに上目使いをしてくる明をよそに、私は一人零れてくる笑みを留められないでいた。
「キモいから満月は、無視して教室行こう京介。」
「そうだな」
「ちょっ二人ともひどーっい」
私の叫びも虚しく、二人は楽しそうに駆け足で、教室の中に入っていった。
この頃の私は、こんな毎日がずっと続くと思ってた。
何も変わらない、ずっと仲良しで、そのさきの関係があることも知らずに…。
.