月と太陽-密愛- 【コラボ企画】


「今、夏目望加と喋ってなかった?」

「うん。可愛い子だね」

「いや別にそこ聞いてないし。
陽君の現カノでしょ?」

「うん。初めて生で見たよ」


引き攣った顔を直そうと、頬を揉みほぐしながら言う。


陽に彼女が出来るたびに、彼女さんは私に挨拶をしてくる。


元々そういう話が苦手だから、こういうときは必ず顔が引き攣ってしまう。


「…でもなんか、今回は系統が違うね」

「そう?」

「まあ、満月じゃわかんないよ」


フッ、と鼻で笑い明はまた教室に入った。


「あっ明ちゃん、待ってよ〜」


私も続くように、入っていく。


一ガラッ


「今の陽の彼女?」

「…そうだよ。可愛い子だよね〜」


前に立ちはだかるように、京介は目の前に出て来た。


「これで何人目だよ〜」


呆れたようにため息をつくと、チラリと私を見てくる。


「お前はあいつと違って、そういう話ねぇよな」

「別に、興味ないし。」


あざけ笑うような京介を見て、冷ややかな目で小ばかにする。




< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop