月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「じゃね〜満月ー」
「じゃねっ」
鞄を肩にかけながら、教室を出ていく友達に手を振る。
「よしっ、掃除完了
後は、陽君が来るのを待つだけだね」
「だねっ」
掃除用具入れにほうきをしまい、明は黒板に明日の予定を書き出した。
私はそんな明を横目に、そわそわと廊下を眺める。
「…珍しいな〜
いつも時間だけはきっちりしてるのに…」
とっくに終礼は終わってる時間。
なのに、陽は私のクラスに来る気配すらない。
「何してんだろ?」
「…こっちから行っちゃえば!?」
「えっ………!?」
思いもしなかった明の言葉に、私は目を丸くした。
今まで陽が私のクラスに来ることはあっても、私が行ったことは一度もない。
ここは一度行ってみなければ…。
「よしっ…じゃあ行こう」
ニヤリ、と不適な笑みを浮かべた。
きっと、私を見た瞬間、
眉がつりあがって、口元が引き攣りながら、私に嫌味を言ってくる。
好奇心を揺さぶらせて、私の心はスキップをした。
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