月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「…あっ…満月先輩…」
顔を赤らめながら、教室から望加が顔を出した。
「……ヘヘッ…ごめん、邪魔しちゃった…」
私は気まずさを隠すように、無理に笑顔を作った。
陽はそんな私を見ながら、ため息を零す。
「…もうあんなことすんなよ。
いこ、満月、明先輩。」
「あっうん…」
不安げにドアの後ろにいる望加を置いて、私と明は、スタスタと歩いている陽の後ろを追った。
「ちょっ…陽…!?
待ってよ」
なかなか歩くペースを落としてくれない陽に追い付こうと、私は小走りをする。
明は明で、後から行く、と言って、ゆっくり歩いている。
「も〜…陽っ」
一グイッ
「私の声、聞こえてるの!?」
陽の腕を引っ張り、声を抑えて怒りを出す。
「……んで…たんだよ」
「えっ?」
やっと口をきいたと思ったら、蚊の泣くような声で、聞き取れなかった。
「…だから〜
なんで中等部なんかに来たんだよ!
って言ったんだよ」
今度は大きな声を出した。
逆ギレをする意味が分からない。
私は陽を睨み付けた。
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