月と太陽-密愛- 【コラボ企画】




「ふぅ〜…何、干渉に浸ってんだろ…」


ため息をつきながら、窓の外を見た。


緑が生い茂った田舎町。


そこを、カタン…コトン…と揺れる列車が走る。


ちらほらと見える学生の群れ。



数年前まで通っていた学校。


懐かしい気持ちで、胸が否応なしに弾んでくる。




『次は〜〇〇駅〜〇〇駅〜』




車内アナウンスと同時に、
重たい鞄を持ち上げて、ゆっくりとドアの前に立つ。


もうすぐ、私たちが育った町につく。




大学を卒業して一年。


あの日以来、帰らなかった…帰れなかった家に、やっと帰れる。




綾瀬 満月《アヤセ ミツキ》−25歳




誰にも言えない恋を…
たくさんの愛を…



私は君と
この町で知った。





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