月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「あら〜そんなのいいのに」
言葉とは裏腹に、お母さんは満面の笑みで、プレゼントを開け始める。
「…オルゴール!」
「可愛いでしょ〜
音はね、赤い糸って曲なの」
カタン、と蓋を開け、音楽が流れ始める。
お母さんはさっきよりも近く、お父さんに寄り添い微笑んでいる。
嬉しそうだ。
「…よかったね、ひなっ…」
言葉を飲み込んだ。
あんまりにも嬉しそうに陽は笑っていて、目をつぶった。
一ポトンッ
あっ思い出した。
あの言葉、昔やっていたドラマのタイトルだ。
一私に向けて、陽が書くわけない、か…。
そう思った瞬間、淋しさが込み上げてきた。
「満月?…どうかした?」
「何でもない…」
顔を隠すようにして、食器を片し始めた。
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