月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
「満月…あのさっ」
「陽君っ!」
陽の言葉を遮るようにして、甲高い声が聞こえた。
「…あっ満月先輩、おはようございます」
「おはよう」
昨日のことが無かったように笑う望加を見て、私はうまく笑うことが出来ないでいる。
「あっ…じゃあ私、行くね…」
「あぁ…」
その場から逃げるようにして、私は走って階段を上がった。
あの二人を見ていると、どうしてか胸が痛い。
知らない感情に取り付かれたみたい…。
でも本当は知っている。
この…切なくて苦しい、感情の意味を一…。
理性がきかなくなる前に、抑えなきゃいけない感情の意味を一…。
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