月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
一プシュー…
「久しぶり、満月…」
ドアが開くと同時に見えたのは、懐かしいあの人の笑顔。
「…京介!何でいるの?」
「おばさんに聞いた。
どうせ俺んとこには来ないと思ったから、こっちからきてやった」
図星をつかれた。
戻って来たと言っても、2,3日したら帰る予定だったから、逢うことは考えられなかった。
それに、今さら京介にどんな顔をすればいいか分からなかった。
大和 京介《ヤマト キョウスケ》−25歳
絶対に好きにならないと誓った人。
「あっそうそう、俺結婚すんだよ」
「はいっ!!?」
いきなりの発言に、素っ頓狂な声が出る。
京介は京介で、前を歩いていて、表情は見えない。
でも、どうしてだか、嬉しい気持ちが伝わって来て、
私は自然に微笑んでいた。
「おめでとう」
隣に行き、少し赤らめた顔を見ながら言うと、
京介は照れ笑いを浮かべた。
私の分まで幸せになってね…。
それが、私のささやかな願い。
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