月と太陽-密愛- 【コラボ企画】


「そうそう、みんなお前に逢いたがってたから、勝手に同窓会やることに決めたから〜」

「えっ本当!?
じゃあ、明ちゃんとかに逢えるんだ〜」


土手を歩きながら、母校を眺める。


何一つとして変わらない風景。


人も感情も変わっていく。



この数年で、それを学んだ。



…なのに、私の気持ちは変わらない。



今も想ってるのは、君だけ。





「ぢゃあっ…ここまででいいよ」

「そっ?なら、7時に藤ばあの店な」

「りょーかい」


大きく手を振ると、京介も手を振り返してくれた。


その手には、キラキラと輝くシルバーの指輪が光っていた。


それが眩しくて、瞼を閉じようとしていた。


「さてっ…帰りますか。」


ある程度京介が歩いていった辺りで、
私はまた、重い鞄を持ち上げ、歩き慣れている砂利道を帰っていった。




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