月と太陽-密愛- 【コラボ企画】
一ガラガラッ
「満月、おかえり
待ってたわよ」
「ただいま…お母さん…」
玄関の扉を開くと、いの一番でお母さんが出迎えてくれた。
「…おかえり、満月…」
「……ただいま…」
リビングから、優しい笑みを浮かべて、お父さんが来た。
「元気だったか?」
「うん…」
「ならよかったよ」
お父さんは、安心したように、またフッ、と笑った。
私はその笑顔を見ながら、胸が締め付けられる想いをしていた。
あんなことをして…あんなことを言っておいて…
今、まだ娘として接してくれている。
少しだけ、目頭が熱くなった。
「…そうそ、う…陽なら仕事で少し帰ってくるのが遅くなるらしいのよ…
だから、食事は明日にしましょう、って」
歯切れの悪い言葉。
たぶんまだ、私達のことを受け止めきれていないんだ。
6年経った今でも…。
「…分かった…」
二人に背を向けながら言い、そのまま二階へと上がった。
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