life
#2 最初の過ち
いつの間にか、初めてひとつになった冬を越えて、季節は春。
僚平の誕生日が近付いていた。
この頃、僚平は冷たかった。
前から多少は冷たかったけど、最近は怖いぐらい冷たい。
どんどん冷たくなる僚平が怖くて、あたしは別れを選んだ。
部活に行く前に僚平を呼び出した。
「なに?早くして」
メールでは冷たかったくせに、いつもと変わらない笑顔に、あたしの心は揺れた。
「えーと…あのね…」
あたしは何も言えなくて、沈黙が続いた。
風が木を揺らす。
風が気持ちいい、晴れた日だった。
「…別れ…よ?」
その言葉と一緒に出てきたのは、大量の涙。
「わかった…」
僚平が、泣きじゃくるあたしを優しく包んでくれた。
「なんで泣くんだよー」
最初の頃みたいに、優しく頭をなでてくれた。
すぐに襲ってくる後悔。
あたしは、ほんとにこの人を離していいの?
なんで、この人の優しさにも目を伏せたの?
でも、もう手遅れ。
あたしは僚平のポケットに手紙を入れた。
「最後に目閉じて?」
最後は、あたしからキスしたかった。
「じゃあ、俺戻るね」
そう言って、僚平は高校校舎に走っていった。
あたしは、壁にもたれて少し泣いた後、部室に走っていった。
最初の別れ。
僚平の誕生日が近付いていた。
この頃、僚平は冷たかった。
前から多少は冷たかったけど、最近は怖いぐらい冷たい。
どんどん冷たくなる僚平が怖くて、あたしは別れを選んだ。
部活に行く前に僚平を呼び出した。
「なに?早くして」
メールでは冷たかったくせに、いつもと変わらない笑顔に、あたしの心は揺れた。
「えーと…あのね…」
あたしは何も言えなくて、沈黙が続いた。
風が木を揺らす。
風が気持ちいい、晴れた日だった。
「…別れ…よ?」
その言葉と一緒に出てきたのは、大量の涙。
「わかった…」
僚平が、泣きじゃくるあたしを優しく包んでくれた。
「なんで泣くんだよー」
最初の頃みたいに、優しく頭をなでてくれた。
すぐに襲ってくる後悔。
あたしは、ほんとにこの人を離していいの?
なんで、この人の優しさにも目を伏せたの?
でも、もう手遅れ。
あたしは僚平のポケットに手紙を入れた。
「最後に目閉じて?」
最後は、あたしからキスしたかった。
「じゃあ、俺戻るね」
そう言って、僚平は高校校舎に走っていった。
あたしは、壁にもたれて少し泣いた後、部室に走っていった。
最初の別れ。