life
休みの日。
あたしは拓の部屋に向かっていた。
今日は1人があたしの探した客で、1人が拓が探した客だった。
あたしが探した客は若かったけど、どうせなら若い方がいいって、なんの心配もしてなかった。
その客に、前の日とかに付き合いたいって言われていた。
あたしは軽く流して、とりあえず会う約束をしたんだ。

最初は拓の客で、いつも通り問題なかった。

あたしの客と会うために、あたしは待ち合わせ場所に向かった。
中に入ると、その男はいきなり手を出した。
代金は後回しだった。
終わった後、あたしが手を出した。
「え?」
男は不思議そうな顔をした。
「お金」
「え、付き合うんじゃないの?」
こいつなに言ってんの?
「そうだけど今日はもらうから」
あたしは笑顔をつくって答えた。
「今手持ちないんだよ」
「んじゃATMは?」
もらえないじゃシャレにならない。
拓に見放される。
「わかったよ」
男はしぶしぶ了解した。

あたしは男とホテルを出て、コンビニに向かった。
現金をおろす時は、あたしは画面を見なかった。
「終わったよ」
男がそう言ったので、コンビニを出て近くの駐車場に行った。

「お金なかった」
そう言って、男は1000円だけ渡した。
「え、ありえないんだけど」
さすがにそれはない。
あたしの価値そんだけ?
なにより拓が怖い。
「本気で言ってんの?」
あたしは作り笑顔をやめて、怒った顔で聞いた。
「ごめんって…
だって付き合うならお金とるのおかしくない?」
「けど今日は払ってって言ってあったでしょ?ないと困るんだけど」
「ごめん。でも今日はほんとにないから」
こいつに何を言っても無駄。
あたしは黙ってお金を受け取り、男に背中を向けてさっさと歩き出した。
後ろで男がなにか言ってたけど、ひたすら無視をした。
< 42 / 43 >

この作品をシェア

pagetop