太陽の柱
次第に、自分に対しての苛々が募り始める



現実だったら絶対に話かけてる!

それに、今まで誰かに話掛けるのに、もどかしい思いをしたことなんてない




今話掛けたくても話かけられないのは、自分が弱いから

タイピングに自信がないから


変なところで小心者だったりするから―…




現実ではそんな自分を隠す為にマンバメイクしている


メイクの勢いに任せてなんでもあり!って感覚に陥って自分に自信がつく…



ゲームの中の私は美人だけど、まわりも似たようなもの……


あーもう!!
じれったい!!!


考えれば考えるだけ自分に嫌気がさす
ただのゲームなのに……


考えを巡らせるも


チャット欄は《ありがとう》《いいえ》のやり取りを繰り返していた



しばらくの間、同じやりと延々と繰り返してるうちにレベルアップを知らせる効果音が部屋中に響き渡る






《takathi:才×〒"┝_〆(=´エ `= )))カキカキッ》


え?なになに?顔文字?しかもカワイイし!!!



ずっと冷たい人かと思ってたけど優しそう!!




今まで経験値数と、二人の単調な単語だけだった私のチャット欄に始めての違う言葉


26回レベルアップしているが、初めて嬉しいと感じた



長時間同じ敵ばかり狩ってた私の苦労が報われるような、”ミメィ”って私の分身を認めてくれたような


ここまで頑張ってよかった

< 52 / 120 >

この作品をシェア

pagetop