太陽の柱
朝食を済ませ、ソファーに腰かけワイドショーに目を向ける


『ふぁ~あッッ!!』



「でけぇ口~!!美冥(みめい)食べられるわ」


パンを片手にゲラゲラ笑ってる憎き美冥


オメェに背中向けてんだから口見えてねぇだろ!!
いちいちウルサイ奴だ
無視無視……




―ピンポーン



「はぁい」

お母さんがエプロンで手を拭きながら玄関に走っていく



「あらぁ~♪魅乃ちゃんじゃないのぉ~。いらっしゃーい」





―ガタッ


突然、後ろから音がして美冥が玄関に走ってく


「魅乃ちーんっ」


「うわぁ!!」



「あらあら。魅乃ちゃんごめんなさいねぇ。ほほほほほ」

魅乃の叫び声とお母さんの笑い声が玄関から聞こえてくる


「おじゃましまーす」

元気な声が聞こえて振り返ると、抱きつく美冥をひきずりながらリビングに入ってくる魅乃が目に入った




「何度も電話したのに出なかったから来ちゃったしぃ♪」


なんて奴だ

せっかくの日曜日、朝からダラダラしようとしていた計画が丸つぶれじゃねぇか!!!



母によって無理やり引き剥がされた美冥は2階に上っていった

『ゴメンゴメン。朝ごはん食べてた』

腰を抑えながら前かがみになってリビングを抜ける

「腰なしたんよ?」

お年寄りのような格好でゆっくり歩く私を見て大笑いする魅乃を無視して2階にあがる




『いでぇっ』

階段上る時は腰に響く
やっとの思いで部屋につきベッドに腰を下ろす



「はぁん。さては机で寝たな?」


『なんでわかったんよ』

「だって?ほらここ。」
そういって、私のまだ少し赤くなってる、こめかみを突っつく


『てか、なした?』
これ以上笑いものにされるのはゴメンだから本題に移す

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