太陽の柱
「んとねぇ。来週のどよ……」


―ガチャッ


「魅乃ちぃん♪」

後ろからコテやら、スタイリング剤やらを両手に抱えた美冥が入り口に立っていた


びっくりして振り向く魅乃
美冥の様子をみて悟ったように手招きをする


「やったぁ♪」


床にコテ達を置き、私の椅子に腰掛ける美冥


魅乃が家に来るたびに、髪の毛の巻き方やメイクを教えてもらってんだよな…




どうやら、魅乃は憧れの人らしい
巻き髪を学校にしていっては自慢するのが好きとか何とか…
 
高校1年生にとって綺麗な巻き髪が出来る人は尊敬の眼差しで見られるらしい


ベッドにうつぶせになり、髪をいじる魅乃達を横目で見ながら湿布を腰に貼る


『つめでぇぇええ!!』


叫んでも誰も見向きもしてくれない
一瞬美冥が振り向いた気がしたが気のせいみたいだ…




しばらく時間が経ち、美冥が部屋を出て行く


額を拭うそぶりをする魅乃


『毎回悪りぃな』

「ぜんぜんOKだし♪」

やっぱり、尊敬されてる以上自分の時間を裂かれても悪い気はしないんだろう


『さっきの続き何?』
首をかしげるも、思いだしたように私の目の前に腰を下ろす


「来週の土曜日にねぇ~、ダーリンが来るのぉ!!!」


『うんうん。それで?』

「え?それだけぇ~。エヘヘヘヘヘ」


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