太陽の柱
≪takathi:それじゃー転職のクエ受けにいこっか?≫

クエ?

クエって?

どこかで聞いた言葉だけども、面倒そうな響きに嫌な予感を覚えた―…




≪ミメィ:クエ?≫


≪takathi:転職する為には、クエストといって色々な課題をクリアしなくちゃならないんだよ。
噂によると2時間くらいかかるって聞いたな≫


…2時間ですか

すぐに魔法使いになれると思ってた私の期待は見事に打ち砕かれた


すげぇ面倒臭そう


普段、面倒なことを極端に嫌がる私に≪クエスト≫という言葉は悪魔の響きそのもの




takathiが突如走りだし


慌てて後ろを付いていく


―――――……
―――…
―…






≪takathi:これでクエは最後だよ!!お疲れ^^≫


や…やっと終わったぁ!!

色んなMAPを行ったり来たり…

経験値の入らない敵を倒したり、転職に必要なアイテムを揃えるまでひたすら、狩りに徹底したり…


よく頑張った
ご褒美を上げたいくらいだよ



一息付いて居ると、またもや走り出すtakathiを見失わないように追いかけ

転職式と呼ばれる儀式に参加する


白ひげ老人に話掛け、最初にtakathiが白い光に包まれる―…



光が消えると、頑丈そうな鎧をつけたtakathiが立っていた


周囲からは≪おめでとう~≫の言葉が溢れている
暇つぶしに転職する人達を祝っているらしい

次は私…

や…ヤバイ



ゲームなのに凄い緊張してきた!!

≪牧師:マジシャンに転職で間違いないですね?≫

マジシャンとは黒魔法使い


画面には【はい】【いいえ】と表示されている。

マウスを持つ左手に神経を集中させ【はい】とクリックする―…



―カチ…


途端に青い光に包まれ、紫色のフワリとしたドレスを身に纏ったたミメィが画面に現れた

地面につくほど長いドレス
胸元は大きく開き、谷間が見えている



そして、
手には牧師さんからのお祝いの品と言われる、杖を手にしていた

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